別れさせ屋の悪徳上司の実話|元部下が見た思考回路と依頼者の末路

別れさせ屋の悪徳上司の実話|元部下が見た思考回路と依頼者の末路

元別れさせ屋のHです。

今回は、僕が現役時代に一緒に働いていた上司の話を書きます。

先に断っておきます。この人が業界の全部ではありません。真面目に依頼者と向き合っているスタッフも、確かにいました。

それでも書くのは、こういう人間が実在して、今も依頼を受けているからです。そして読者の多くは、自分の担当者がどちらなのかを知る手段を持っていません。

個人が特定されないよう、経歴や在籍先に関わる具体的な情報は伏せます。また、人づてに聞いただけで裏の取れていない話は書きません。ここに書くのは、僕が自分の目と耳で確かめたことだけです。

この上司が何を言っていたかの記録は別れさせ屋業界の嘘|元別れさせ屋だった僕が見てきた悪徳業者の実態にまとめています。この記事で書くのは、その人がどういう人間だったかです。

目次

朝から、こういう言葉を浴びていました

僕が入社してから仕事に慣れるまで、正直なところ地獄でした。

朝から飛んでくるのは、こういう言葉です。

「客だと思うな、依頼者だからな」

一見すると、まともなことを言っているように聞こえます。ですが意味は逆でした。「客扱いして気を遣う必要はない」という意味です。

「誰にも頼めないことを、俺たちが請けてやってるんだから」

これがこの人の根っこにある考え方です。依頼者は他に行き場がない。だから、こちらが上。

「客のメンタルに引っ張られるなよ」

依頼者の苦しさに付き合うな、という指導です。僕は逆だと思っていました。恋愛問題は人を追い詰めます。そこに付き合わずに、何を請け負っているのか。

「いいから出来るって言って契約を取ってこい」

これがいちばん明確でした。できるかどうかは、契約を取ってから考えろということです。

そして、僕のやり方は否定され続けました。

「お前の仕事は効率が悪すぎるんだよ」
「俺はお前の思考が理解できん」

ヒアリングに時間をかけ、受けられない依頼は断る。僕にとっては当たり前でしたが、この人から見れば「効率が悪い」のです。

この人の思考回路は、たぶんこうでした

何年も隣で見ていて、僕がたどり着いた結論は3つです。

① 人に興味がない

依頼者にも、部下にも、興味がありませんでした。

恋愛問題を扱う仕事なのに、人の感情そのものに関心がない。依頼者の話は「契約に必要な情報」としてだけ処理されていきます。

だから「客のメンタルに引っ張られるなよ」が、本人の中では矛盾していないんです。もともと引っ張られるほど興味がないので。

② 自分が有利になることしか考えていない

判断基準が全部ここでした。

その依頼を受けるかどうかも、どう動くかも、「成功するか」ではなく「自分の数字と立場にとって得か」で決まる。受けられない依頼を受けるのも、それで自分の成績が上がるからです。

③ 必要なときは優しさをちらつかせ、不要になれば切り捨てる

これがいちばん厄介でした。この人は、優しくできるんです。

契約前の面談、入金前のやりとり、自分が助けてほしいとき。そういう場面では、驚くほど親身になります。話も上手い。

そして必要がなくなると、ぱっと引く。優しさが態度ではなく、道具として使われていたということです。

依頼を検討している人が面談で見るのは、ほぼ確実に「優しいほう」の顔です。だから面談の印象だけで信頼できる担当者かどうかは判断できません。ここは本当に気をつけてほしいところです。

デカいことを言うわりに、仕事はできませんでした

意外に思われるかもしれませんが、この人は工作そのものが上手いわけではありませんでした。

会議や朝礼では強い言葉を使います。「俺なら取れる」「そんなもん簡単だ」。ところが実際の案件では、段取りが崩れる、約束した動きが出ない、報告が間に合わない。

そしてその尻拭いは、周りのスタッフがやっていました。工作員が自分の持ち時間を削って現場を埋め、別のスタッフが依頼者への説明を引き受ける。僕も何度か回収側に入りました。

ここで覚えておいてほしいのは、社内で発言力がある人が、現場で結果を出している人とは限らないということです。別れさせ屋は外から実力が見えません。だから「偉そうな人=できる人」という推測が、そのまま通ってしまいます。

僕がやった抵抗は、「一緒に仕事をしない」でした

正面から言い争って変わる人ではありません。やり方を否定しても、返ってくるのは「お前の思考が理解できん」です。

なので僕が選んだのは、この人と組まないという方法でした。

  • 依頼者との面談に同席することを断った
  • 同じチームで案件を動かすことも断った

理由は単純です。同席すれば、僕がその場の説明に加担することになる。「できます」と言わせる面談に、僕の存在が説得力を足してしまう。それは依頼者に対してやってはいけないことだと思いました。

運営側は、僕とこの人の思想が違うことを理解していました。だから拒否したことで叱責されたことはありません。ただ、上司からは愚痴と不満を延々と言われ続けました。

それでも、この線は譲りませんでした。ここを崩したら、僕が業界にいる意味がなくなるからです。

この人の依頼者はどうなったか

ここがこの記事で、いちばん読んでほしいところです。

僕が見てきた範囲で言うと、この人が担当した依頼者は、みんなズタボロになっていました。

代わりに電話を受けたことがあります。そのときの依頼者の病み方は、尋常ではありませんでした。声の出方が違う。話が途中で切れる。自分を責める言葉が止まらない。恋愛相談の電話というより、限界まで追い詰められた人の電話でした。

何が起きていたかというと、こういう構図です。

マインドセットと責任転嫁が、とにかく上手かった

工作が進まないとき、この人は依頼者側の問題として説明します。依頼者の対応が悪かったからタイミングを逃した、覚悟が足りないから動きが鈍い。そういう筋道に持っていくのが、とにかく上手い人でした。

言い方としては筋が通って聞こえます。そして恋愛で弱っている人は、もともと自分を責める準備ができています。だから素直に受け取ってしまう。

結果として、進まない原因が依頼者の内側に移っていきます。

依頼者が自分から離脱していくので、悪評が立たない

これが本当に厄介な仕組みでした。

追い詰められた依頼者は、怒って抗議するのではなく、「自分が悪かった」と思ったまま黙って去っていきます。

返金も求めない。口コミも書かない。会社に苦情も入れない。自分の落ち度だと思っているから、文句を言う対象が自分しかいないんです。

だからこの人の評判は、社内でも社外でも傷つきませんでした。口コミが悪くない担当者が、良い担当者だとは限らないのは、こういう理由です。

口コミそのものがどう作られているかは【元別れさせ屋が潜入調査】SNS口コミは信用するな|オープンチャットのサクラ実態を暴露でも書いています。

なぜ僕は、すぐに辞めなかったのか

ここまで書くと「さっさと辞めればよかったのに」と思われるはずです。実際、僕も何度も考えました。

残った理由は2つです。

1つは、自分の担当している依頼者を途中で放り出せなかったから。進行中の案件がある状態で抜ければ、引き継ぎ先がどこになるか分かりません。最悪の場合、あの人のところに流れます。それだけは避けたかった。

もう1つは、一緒に動いてくれていたスタッフのことです。僕のやり方に付き合って、時間をかけたヒアリングや丁寧な工作に協力してくれる人たちがいました。その人たちを置いて先に降りるのは、どうしてもできませんでした。

だから僕は、あの人の思想に乗らないまま、自分の仕事だけを全うするという形を選びました。しんどい選択ではありましたが、後悔はしていません。

最後は、特に話すこともなく別れました。言い争いも、わだかまりの清算もありません。最初から最後まで、分かり合うことはなかったという一点だけが残りました。

そして聞いている限り、あの人は今も業界にいます。つまり、今日この瞬間も誰かの面談をしている可能性があるということです。

僕が最終的に業界を離れた理由は元別れさせ屋Hが業界を辞めた理由|焼畑農業的な悪徳上司の闇と誠実さへの葛藤に書いています。

この上司が作っていた報告書が、どういう構造だったのか。読み解き方はこちらです。

別れさせ屋の稼働報告の読み方|「動いています」に隠れた落とし穴

こういう担当者を引かないために、依頼前にできること

ここまでの話を、依頼者側が使える形に落とします。

この人のようなタイプは、面談では見抜けません。優しいほうの顔で出てくるからです。代わりに、次の4つで輪郭が出ます。

① 「できない条件」を言うかどうか

現場を分かっている人は、必ず不利な条件を口にします。「この状況だと難しい」「ここが読めない」。

逆に全部できると言う人は、できるかどうかを考えていない可能性があります。「いいから出来るって言って契約を取ってこい」で動いている人は、ここで必ず全肯定になります。

② 工作の手順を具体的に説明できるか

誰がどう接触して、何週目に何を狙うのか。段取りが語れない人は、段取りを組む習慣がない人です。「お任せください」「経験豊富なスタッフが対応します」で終わるなら、そこで止めて質問を重ねてください。

③ 報告の頻度と方法が契約に書かれているか

口約束の報告は、忙しくなった瞬間に消えます。書面にあるかどうかが唯一の防衛線です。報告が止まったときに何を根拠に請求できるかを、契約前に確認してください。

④ 進まないときに「あなたのせい」が増えないか

これが最重要です。依頼者側の振る舞いが結果に影響するのは事実です。ですが説明が毎回あなたの落ち度に帰着するなら、それは工作の説明ではなく責任の移転です。

「で、そちらは次に何をしますか」と聞いてみてください。自分側の次の行動を答えられない担当者は、動いていません。

自分を責めはじめたら、いったん止めて第三者に話してください。あのとき電話で話した依頼者も、もっと早く誰かに相談できていれば違ったはずだと思っています。

別れさせ屋業界の嘘と闇|元プロが現場で見た「成功する人」と「失敗する人の差」

別れさせ屋で後悔した人は何を悔やんだか|元別れさせ屋Hが実話で解説

まとめ:この人が業界にいられた理由こそが、問題です

最後に整理します。

  • 依頼者を「他に行き場のない相手」として扱い、契約を先に取るよう指導していた
  • 人に興味がなく、判断基準は自分の有利さだけ。優しさは道具として使っていた
  • 発言は強いが工作の実務は雑で、尻拭いは周囲のスタッフがしていた
  • 進まない理由を依頼者の落ち度に移すのが上手く、依頼者は自分を責めて黙って離脱していた
  • だから苦情も悪い口コミも残らず、評判は傷つかないまま今も業界にいる

いちばん怖いのは、この人が例外的な悪人だったという話ではありません。こういうやり方が、成果として評価されてしまう構造があったということです。

別れさせ屋は、外から実力が見えません。だから依頼者ができるのは、会社の知名度や面談の印象ではなく、目の前の担当者が「できないこと」を語れるかどうかで見ることです。それだけでも、引く確率はだいぶ下がります。

よくある質問

記事に出てくる上司は、今どこにいるのですか?

具体的な在籍先や個人が分かる情報は書きません。聞いている限り、今も業界にいるようです。この記事は特定の会社や個人を名指しするためのものではなく、こういう考え方の担当者が実在することを知ってもらうために書いています。

こういう担当者かどうかは、面談で見抜けますか?

面談だけでは難しいです。契約前は誰でも親身に対応します。判断材料になるのは、できない条件を口にするか、工作の段取りを具体的に説明できるか、報告の頻度と方法が契約書に書かれているか、進まないときの説明が毎回あなたの落ち度に帰着しないか、の4点です。

口コミに悪い評判がなければ、安心していいですか?

そうとは言い切れません。追い詰められた依頼者は「自分が悪かった」と思い込んだまま黙って離脱することが多く、苦情も口コミも残りません。評判が傷ついていない担当者が、丁寧な担当者とは限らないということです。

担当者を変えてもらうことはできますか?

申し出ること自体は可能です。まず契約書に担当者変更の規定があるかを確認してください。規定がない場合も、会社の窓口に状況を伝えて相談する余地はあります。改善が見られないなら、別の業者への乗り換えを検討する段階です。

担当者から「あなたのせいで進まない」と言われ続けています。どうすればいいですか?

事実と評価を分けて確認してください。具体的に、いつ、どの行動が、どう影響したのかを説明してもらう。そのうえで「では次にそちらは何をしますか」と聞いてください。自分側の次の行動を答えられないなら、動いていないと判断していい段階です。やりとりは記録に残してください。

どの業者が自分の状況に向いているかは、関係性や目的によって変わります。診断から探せるようにしてあります。

監修者:元別れさせ屋Hのプロフィール画像


恋愛コンサルタント・結婚相談所経営

この人のことを書くかどうかは、正直ずいぶん迷いました。嫌いだった人の話を書くのは、後ろ向きな行為に見えるからです。

それでも書いたのは、あの電話の声が忘れられないからです。追い詰められていたのは依頼者で、追い詰めた側は何も失っていませんでした。あの構図だけは、外から見えるようにしておきたかった。

依頼を考えている人にお願いしたいのは一つだけです。進まない理由が自分の内側にしか見つからなくなったら、その時点で一度誰かに話してください。それは、あなたが弱いからではありません。
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