別れさせ屋は違法?探偵業法との関係を元業界人Hが解説

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はじめまして。元別れさせ屋のHです。

「別れさせ屋って違法なの?」

無料相談で、必ずと言っていいほど聞かれる質問です。実は僕自身も、この業界にスカウトされた時、上席に全く同じ質問をしたことをよく覚えています。

今回は、現場で実際に届出や研修を受け、そして自分自身が法律の一線を越えかけた経験もある僕にしか語れない、業界の法的な立ち位置を包み隠さず整理します。

※この記事は法律の一般的な整理であり、個別の契約や行為が合法か違法かを判断するものではありません。具体的な状況については弁護士等の専門家にご確認ください。

目次

「別れさせ屋は探偵業の認可を取っている」上席の言葉

スカウトされた当初、僕の疑問に上席はこう答えました。

「別れさせ屋は探偵業の認可を取って、法律内でできることをやっているから問題はないんだよ」

正直、最初は「はにゃ」という感じでピンときていませんでした。しかし研修期間中に様々な注意点や技能を学ぶうちに、「なるほど」と合点がいくようになりました。

「別れさせ屋」という業種そのものに専用の免許はありません。しかし、対象者の行動確認や生活パターンの把握といった「調査」にあたる部分は、探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)の規制対象です。まともに運営している業者であれば、営業所を管轄する都道府県公安委員会に「探偵業開始届出書」を提出し、届出番号を持っています。

契約前に確認すべき基本的なチェックポイントは、こちらにまとめています。
➡ 【関連記事】【元別れさせ屋が暴露】契約前チェックリスト10選!失敗しない選び方

研修で叩き込まれた「ターゲットが恐怖を感じた瞬間、アウト」

研修中、僕がもの凄く叩き込まれたことがあります。

「張り込み・尾行・聞き込みは探偵業法で認められている。けれども、ターゲットが恐怖を感じた瞬間、それはストーカー行為に該当してしまうから、ここだけは十二分に注意するように」

ストーカー行為とみなされれば、業者側だけでなく依頼者側にも害が及びます。害が及ぶというのは、警察当局が介入することを意味します。「それだけは絶対にないよう対応しなさい」と、当時から繰り返し指導を受けていました。

担当者に昇格し、再び念押しされた同じ警告

現場での実地キャリアを積み、頭角を現してきた僕は、会社から担当者に昇格するよう勧められました。二つ返事で承諾しましたが、この時にも再びストーカー行為についての警告を受けました。

「H、君は特に人がいいから十二分に注意するように。困ったことがあったら必ず相談するように」

担当者になると、依頼者と直にやりとりをしなくてはなりません。依頼者の無茶ぶりに引っ張られてしまうケースがあるからこその念押しでした。

それでも僕は、やってしまったのです

その依頼者は男性でした。メンヘラ気質で高圧的な人で、毎日毎日「どうなるんですか?」「必ず成功するんでしょうね」「結果に繋げる稼働をしてください」と、半端じゃない威圧的なコミュニケーションを浴びせてきました。

「法律内に沿ったことしかできない」と契約前にきちんと説明した上での依頼だったにもかかわらず、契約後は無茶ぶりの連続でした。

あまりに辛すぎて、僕は上席に内緒で人員も多く使い、稼働を進めてしまいました。おかげで結果には繋がりましたが、依頼者の要求はさらにエスカレートしていきました。

「もっとできるでしょう」

尾行に気づかれている様子があるから少し間を空けたいと伝えても、聞き入れてもらえません。工作員とターゲットのコミュニケーションにも、この依頼者が無理なシナリオや演出を提案してきて、それに従わされました。

ターゲットの口から発覚した「最悪の事態」

工作員自身が疑われることはありませんでしたが、ターゲットが工作員に話した内容から、ヤバい——危険な状況が発覚したのです。

ターゲットの話では、僕が危惧していた通り、連日の張り込みや尾行に女性ターゲットも男性ターゲットも気づいていました。特に第二ターゲットである男性ターゲットは、警察に相談もしている様子で、非常に危険な状況でした。

「マジかよ……最悪だ」

僕は困り果てました。このまま放置するわけにはいかないと、勇気を持って上席に報告しました。自分の嘘(人員を増やして稼働していたこと)も明るみに出ることになりますが、そうするしかありませんでした。

実際にGPSを巡って警察沙汰になりかけた、また別の失敗案件についてはこちらで詳しくお話ししています。
➡ 【関連記事】別れさせ屋が警察沙汰に!GPS違法設置の失敗実話を暴露

「愛のムチ」と、上席が見せたプロの対応

久しぶりに体罰を受けました。「愛のムチです」——上席は、真剣に僕を叱ってくれました。

叱りつけるだけでなく、上席は僕が担当していたその依頼者の担当を、自ら引き継いでくれました。

「途中から変更で大丈夫なのか……?」

正直、上席を疑う気持ちもありました。しかし、上席の対応は見事なものでした。はじめのうちはあのうるさい依頼者の話をただ聞いているだけでしたが、途中から主導権を握る形に変わっていったのです。

依頼者の話をしっかりと聴き、それに沿った形で依頼者が納得のいく提案をする。依頼者は感情的な人が多いのでぶつかりそうになる場面もありましたが、上席は決して感情的にならず、依頼者に寄り添いながら「駄目なものは駄目です」と丁寧に理由を添えて伝えていました。

この案件自体は失敗に終わってしまいましたが、上席が担当に変わったことで、工作員や依頼者との間でトラブルにならないよう仕切ってくれ、最悪の事態——警察の介入だけは免れることができました。

最終的に依頼者は上席に、「自分の無茶ぶりのせいで失敗になった。一生懸命、調査や工作をやってくれていたのに本当に申し訳ない。Hさんにも酷いことをした」と謝罪されていました。あわせて警察が介入しなかったことも非常に感謝をしていました。
「それはそうですよね。社会的信用に傷がつかず済んだのですから」

現場で無理な要求をする依頼者にどう向き合うべきかは、こちらの記事でも詳しく解説しています。
➡ 【関連記事】別れさせ屋の担当者が本音で暴露!嫌われる依頼者の特徴とは

この経験から学んだこと

この時、上席に鬼のように詰められましたが、この経験があってから僕自身のトラブルはなくなりました。別件でGPSの案件に巻き込まれたことはありますが、僕が担当者としてトラブルを起こすことはありませんでした。

そのGPSの案件は、僕が直接の担当者ではなかったにもかかわらず、上席から鬼のように詰められました。

「H、忘れた訳じゃねぇだろっ。教えたよなっ。ターゲットが恐怖を覚えた瞬間、俺たちの仕事はアウトだ」

げんこつものでした。

依頼を検討している方に、これだけは覚えておいてほしいのです。ターゲットが「怖い」「恐怖」と感じた瞬間、ストーカー行為は成立してしまいます。 これは、研修中に元警察の方からも厳しく言われていたことです。

「調査」と「工作」、法律が線を引いているのはどちらか

僕の実体験からも分かる通り、探偵業法が直接規制しているのは「調査」の部分です。対象者を尾行して行動確認をする、生活パターンを把握するといった業務は、探偵業法上のルールに従う必要があります。

一方で、「工作員が接触して関係を構築する」「心理的に誘導する」といった、いわゆる”工作”の部分は、探偵業法そのものが直接規定しているものではありません。ここが、この業界が「グレーゾーン」と言われがちな理由です。

ただし、規制する法律が明確にないからといって、何をしても許されるわけでは決してありません。工作の過程での執拗な接触や、対象者に恐怖を感じさせる行為は、ストーカー規制法や、状況によっては軽犯罪法・刑法上の問題に発展する可能性があります。

対象者の個人情報を扱うことへの責任

現場では、対象者の氏名、勤務先、生活パターンといった個人情報を扱います。これは個人情報保護法の観点からも、慎重な取り扱いが求められる領域です。

真面目な業者であれば、調査で得た情報を契約目的の範囲外で使用しない、案件終了後は適切に破棄するといった管理体制を敷いています。この管理体制について質問した時に曖昧な回答しかできない業者は、情報の扱いという観点でもリスクがあると考えた方がよいでしょう。

依頼者側にも法的リスクがあることを忘れないでほしい

これは強く伝えたいことですが、法的リスクは業者側だけの問題ではありません。

先ほどの実話でも、依頼者の無茶な要求に僕が引きずられたことがトラブルの発端でした。依頼者が業者に対して過度な要求を重ね、それを業者側が無理に実行してしまえば、依頼者自身も共犯的な立場に問われる可能性があります。「業者に頼んだのだから自分は関係ない」という考え方は、法的にも通用しない危険な認識です。

無理な要求を続ける依頼者が、最終的にどのような末路を辿るかについては、こちらの記事も参考にしてください。
➡ 【関連記事】無料相談でアドバイスを奪う客の末路|元別れさせ屋が明かす痛い真実

まとめ|「合法か違法か」ではなく「その業者の姿勢」を見るべき

別れさせ屋という業界そのものが一律に違法というわけではありません。しかし、探偵業法の枠内で誠実に運営している業者もいれば、依頼者の圧力に押されて一線を越えかける現場もある、というのが僕自身が経験した現実です。

依頼を検討する際は、「合法かどうか」という表面的な問いよりも、「この業者は、どこまでを違法と考え、どこに一線を引いているか」を面談で確認することをおすすめします。それを明確に説明できない業者、あるいは依頼者の無茶な要求にそのまま従ってしまう業者は、依頼者自身をも法的リスクに巻き込みかねません。

よくある質問(FAQ)

Q1. 別れさせ屋に依頼すること自体は違法ではないのですか?
A. 一般的には、届出をした探偵業者が法律の範囲内で行う調査業務や、正当な範囲内での工作活動を依頼すること自体が直ちに違法となるわけではありません。ただし、依頼内容や実際に行われる行為の内容によって判断が変わるため、心配な場合は事前に契約内容をよく確認し、必要に応じて弁護士に相談することをおすすめします。

Q2. 業者に探偵業の届出番号を聞いても大丈夫ですか?
A. 全く問題ありません。むしろ、誠実な業者であれば快く開示してくれます。届出番号の提示を渋る、曖昧にする業者は、そもそもの信頼性に疑問符がつきます。

Q3. 「ターゲットが怖いと感じたらアウト」というのは、具体的にどう判断されるのですか?
A. 一般論として、相手が恐怖や不安を感じる態様での接触・つきまとい行為は、ストーカー規制法上の問題になり得ます。何をもって「恐怖」と判断されるかは状況によって異なるため、業者側が対象者の反応を注意深く観察し、少しでも兆候があれば工作の方針を見直す姿勢が重要です。

Q4. 契約書に「違法行為は行わない」と書いてあれば安心ですか?
A. 契約書にそう明記されていること自体は良い兆候ですが、それだけで安心はできません。今回の実話のように、担当者が依頼者の圧力に押されて契約時の説明から逸脱してしまうケースもあります。実際の現場対応が契約書通りかどうかを、進捗報告の内容などから継続的に確認する姿勢が大切です。

監修者:元工作員Hからのメッセージ

監修者:元別れさせ屋Hのプロフィール画像


恋愛コンサルタント・結婚相談所経営

現場にいた頃、依頼者の圧力に押されて、自分自身が上席に隠れて一線を越えかけたことがありました。あの時、上席が本気で叱り、そして自ら現場を引き継いでくれなければ、もっと最悪の事態になっていたかもしれません。

この業界には、明確な白黒がつけられない部分が確かに存在します。だからこそ、依頼者様自身が「合法かどうか」を業者任せにせず、担当者がどんな圧力にも流されず一線を守れる人物かどうかを、自分の目で確かめてほしいと思います。
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